今年もそろそろかな、と思って近所の小児科に電話をしたら、「インフルエンザは2回ですね。2回目は3〜4週間あけて」と言われて、カレンダーを見ながら少し考え込む。1回目をいつにすれば、流行に間に合うのだろう。もう10月も半ば、遅すぎないだろうか——。
毎年この時期、同じところで立ち止まる人は多いのではないでしょうか。この記事ではまず、子どものインフルエンザ予防接種をいつから・何回・どの間隔で受ければいいのかを整理します。そのうえで、「何月に打つか」よりも流行前に2回終える段取りから考える方法をまとめます。

子どものインフルエンザ予防接種はいつから?生後6か月から、13歳未満は2回
まず、いちばん知りたいところから答えます。インフルエンザの予防接種(不活化ワクチンの皮下接種)は、生後6か月から受けられます。そして生後6か月以上13歳未満の子どもは、原則2回の接種です。13歳以上は原則1回で済みます。
子どもが2回なのは、1回だけでは十分な免疫がつきにくいためと説明されています。インフルエンザが初めての体にとっては、1回目で体に”覚えさせ”、2回目でその反応をしっかり立ち上げる、というイメージに近いと思います。
ここで大切なのは、2回という回数そのものよりも、2回目を打ち終えて効果が立ち上がるまでに時間がかかるということです。だから「1回目をいつにするか」は、流行の時期から逆算して決めることになります。
高齢者などを対象にした定期接種とは違い、子どもの季節性インフルエンザの予防接種は、原則として希望して受ける任意接種です。費用は自己負担で、自治体によって助成がある場合があります。受ける・受けないは、お子さんの体調やかかりつけ医の説明をふまえて決めるもので、この記事はその判断を急かすものではありません。
「何月に打つか」より「流行前に2回終える」から逆算する
多くの記事が「10〜11月に受けましょう」と書いています。それ自体は目安として正しいのですが、なぜその時期なのかがわかると、自分の予定に落とし込みやすくなります。
理由は2つの「時間差」です。ひとつは、接種してから効果が立ち上がるまでの時間差。ワクチンを打っても、十分な効果が出てくるのはおおよそ2週間後からで、その後約5か月ほどは効果が続くとされています。もうひとつは、子どもは2回打つので、1回目と2回目のあいだに数週間かかること。
いっぽうで、インフルエンザの流行は例年12月ごろから翌年の3月ごろまで続き、ピークは年明けの1〜2月ごろにくることが多いとされています。このピークに効果を合わせるには、遅くとも12月中には2回目を終えておきたい、という逆算になります。
図にするとわかりやすいので、おおまかな目安を並べてみます。年や地域で流行の時期はずれるため、あくまで一例です。
| 時期の目安 | 子ども(2回接種)の段取り |
|---|---|
| 10月 | 予約・1回目の検討を始める |
| 10〜11月 | 1回目を受ける |
| 1回目の2〜4週間後 | 2回目を受ける(4週間あけると効果が高いとされる) |
| 12月中 | 2回目まで完了していると安心 |
| 1〜3月 | 流行のピーク。この時期に効果が立ち上がっている状態をめざす |
こうして並べると、「10〜11月がベスト」と言われる理由が見えてきます。11月に1回目→12月前半に2回目なら、ピーク前に間に合う計算です。逆に、11月の予約がいっぱいで取れなかった、という”あるある”も、この逆算を知っていれば「じゃあ1回目を10月に前倒ししよう」と早めに動けます。
2回目の間隔と、出だしが遅れたときの考え方
2回目までの間隔は、2〜4週間とされています。2週間たてば2回目を受けられますが、予防効果がもっとも高いのは、1回目からおよそ4週間あけて2回目を打つ場合と説明されています。かかりつけによっては「3〜4週間で」と案内されることも多いので、1回目のときに2回目の予約日も一緒に決めてしまうと迷いません。
心配になりやすいのが、「間隔が空きすぎたら、1回目からやり直し?」という点ではないでしょうか。基本的には、間隔が多少空いても1回目からやり直す必要はないとされています。予定していた日に熱を出して2回目がずれても、慌てて最初に戻さなくて大丈夫、ということです。
では、「もう11月後半だけど、まだ1回も打っていない」というときはどうでしょう。これも、今から2回打つ意味はあります。2回目まで終えてから効果が立ち上がりますが、流行の後半に間に合うこともありますし、シーズンは年をまたいで続きます。
「もう遅いから今年はやめよう」と決めてしまう前に、一度かかりつけ医に相談してみてほしいと思います。接種を受けるかどうか、間隔をどうするか——その最終的な判断は、お子さんの月齢や体調をみる医師にゆだねる部分でしょう。
卵アレルギーがあっても受けられる?接種後の発熱は?
「うちの子、卵アレルギーがあるけど打てるの?」という質問も多いところです。結論から言うと、いまの国内のインフルエンザワクチンに含まれる卵の成分はごくわずかで、卵アレルギーがあっても原則として接種できると考えられています。
ただし、卵で過去に強いアレルギー(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある場合は、接種の可否や受け方を必ず事前にかかりつけ医と相談してください。「卵アレルギー=打てない」と自己判断で見送ってしまう必要はありませんが、判断は専門家にゆだねる、というのが安全です。
接種のあとは、打ったところの赤みや腫れ、軽い発熱が出ることがあります。多くは1〜2日でおさまるとされています。熱が高い・ぐったりしている・いつもと様子が違うといったときは、赤ちゃんの発熱の受診の目安の記事もあわせて、月齢や全身の様子で判断してください。
インフルエンザの予防接種は、かかるのを完全に防ぐものではありません。期待されているのは、かかったときに重症化しにくくすることです。とくに、まれですが乳幼児に多いインフルエンザ脳症のような重い合併症のリスクを下げることが目的のひとつとされています。「打ったのにかかった」ことと「打つ意味がなかった」ことは、同じではないのだと思います。
ママレコでできること
ここまでは、アプリがなくてもできる話です。母子手帳と壁のカレンダーでも十分に段取りできます。ただ、「2回目をいつにしたか」を覚えておく係を、頭の外に出したいときに、記録アプリが少しだけ肩代わりしてくれます。
ママレコでは、1回目と2回目の接種日をカレンダーの予定として登録しておけます。2回目は3〜4週間先なので忘れやすいもの。前日や当日にリマインドを受け取れるので、「あ、今日だった」と気づけます。先の予定として入れておけば、予約が混み合う前に動くきっかけにもなります。
この予定は本人だけの管理用で、パートナーには共有されません(プライベートな予定は非共有の設計です)。

接種のあとに熱が出たときは、育児記録の体温につけておきます。こちらは予定と違って、パートナーと無料で共有できます(育児記録と成長記録の共有は無料です)。「昨日の夜38度、朝には下がった」という経過を、連れて行かなかった側もそのまま見られるので、様子を一から説明し直さずにすみます。
接種のときに聞きたいことや、きょうだいの接種状況はメモに書いておくと、待合室で見返せます。
予防接種は、定期接種のスケジュールと一緒に管理すると取りこぼしにくくなります。0歳から始まる定期接種の立て直し方は、予防接種のスケジュールの記事にまとめてあるので、こちらもあわせて読んでみてください。
ママレコが表示する予測・リマインドは、記録と設定にもとづく目安であり、医療的な診断ではありません。接種を受けられるかどうか、回数や間隔、受けられる時期は、必ず母子手帳・自治体の案内・かかりつけ医で確認してください。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関にご相談ください。
カレンダーに、まず1回目の候補を1つ
2回という回数や、間隔や、流行の時期。並べると少し煩雑に見えますが、やることはシンプルで、流行のピーク前に2回終える——そこから逆算するだけです。
今年まだ動いていないなら、まずはカレンダーに1回目の候補日を1つ置いて、かかりつけに電話してみる。それだけで、「もう遅いかも」という漠然とした焦りが、「この日に電話する」という具体的な一歩に変わります。完璧な日取りを探すより、早めに一枠を押さえるほうが、結局はいちばん間に合いやすいのだと思います。
参照
← コラム一覧へ戻る