葉酸のサプリを買ったのに、気づいたら3日ぶん残っている。あるいは、妊娠検査薬に線が出た日に「そういえば葉酸って、もう飲んでいないといけなかったんだっけ」と慌てて調べはじめる。
どちらも、とてもよくあることです。責めるつもりはまったくありません。私も飲み忘れます。 この記事では、まず「葉酸はいつから、いつまで、どれくらい」に短く答えます。そのうえで、実際に困りやすい「妊娠に気づいてから始めた場合」と「続かない問題」まで整理します。

葉酸はいつから?妊娠の1か月以上前から、1日400μg
答えから書きます。こども家庭庁は、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月まで、通常の食事に加えてサプリメントや葉酸を強化した食品から1日400μgをとることを勧めています。
「妊娠がわかってから」ではなく妊娠する前からなのは、赤ちゃんの神経管(のちに脳や脊髄になる部分)が妊娠のごく初期につくられるからです。こども家庭庁は、妊娠後およそ28日が神経管の形成にとって重要な時期だとしています。これは、生理の遅れに気づいて検査薬を使うかどうか、という時期とほぼ重なります。
神経管がうまく閉じないことで起こるのが神経管閉鎖障害で、その多くは二分脊椎です。葉酸を十分にとることで、このリスクを下げられることがわかっています。ただし、葉酸をとっていれば必ず防げる、というものではありません。
だから目安は、「妊活を始めたら、その日から」です。周期の記録など、ほかの準備は少しずつでかまいませんが、葉酸だけは先に始めておくと安心です(妊活の順番は「妊活は何から始める?」にまとめました)。
いつまで続ける?時期によって「足し方」が変わる
400μgのサプリが勧められているのは妊娠3か月(妊娠初期)までです。そのあと葉酸が要らなくなるわけではなく、食事からとる量を増やす段階に移ります。
ふだんの推奨量は、18歳以上で1日240μgです。国の基準では、ここに妊娠中期・後期は1日240μg、授乳期は1日100μgを上乗せします。出典は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」です。

グラフの左だけ「サプリなどで」、右の2つは「食事で」と、足し方が違う点に注意してください。妊娠中期以降もサプリを続けたい場合は、次の「とりすぎ」の目安を超えないようにしつつ、妊婦健診のときに主治医に相談するのがいちばん確実です。
服薬中の方や、以前の妊娠で神経管閉鎖障害があった方などは、医師から別の量を指示されることがあります。記事の数値は一般的な目安です。主治医の指示を優先してください。
食事だけでは足りない?サプリが勧められる理由
「ほうれん草をしっかり食べれば十分では」と思うかもしれません。食事はもちろん大切で、葉酸はほうれん草・ブロッコリー・白菜などの野菜、とうもろこし、えだまめ、さつまいも、いちごなどにも含まれています。
それでもこの時期にサプリなどが勧められているのは、食品に含まれる葉酸と、サプリの葉酸とでは、体での利用されやすさが違うからです。国の基準でも、食品の葉酸は体で使われにくいことを前提に、量が決められています。確実に届けたい時期がはっきりしているなら、食事はいつもどおり大切にしつつ、400μgはサプリなどで足す、と考えるのが現実的だと思います。
とりすぎは大丈夫?1日1,000μgを超えない
「多めに飲んでおけば安心」ではありません。こども家庭庁は、サプリメントや強化食品からとる場合は1日1,000μgを超えないようにと注意しています。
気をつけたいのは、複数のサプリを重ねて飲むときです。葉酸単体のサプリに加えてマルチビタミンや妊活用サプリを飲んでいると、合計が思ったより多くなることがあります。成分表示で葉酸の量を確認して、表示どおりの量を守るようにしてください。
妊娠に気づいてから飲み始めた人へ
いちばん不安になるのが、「もう妊娠がわかったけれど、葉酸を飲んでいなかった」という場合だと思います。
まず、今日から始めてください。 妊娠3か月までは、400μgをとることが勧められている期間です。気づいた日から続けることには意味があります。
そして、必要以上に自分を責めないでください。 神経管閉鎖障害は葉酸だけで決まるものではなく、飲んでいなかったから必ず起こる、というものでもありません。気になることがあれば、妊婦健診で遠慮なく主治医に聞いてください。聞いてしまったほうが、ひとりで調べ続けるよりずっと楽になります。
つわりで飲めない日が続くとき
妊娠初期は、ちょうどつわりが始まる時期とも重なります。錠剤を見るだけで気持ち悪い、水で流し込むのもつらい、という日もあると思います。
そういうときは、飲む時間を体調のましな時間帯にずらす、水ではなく飲みやすいもので飲むなど、できる範囲で工夫してみてください。それでも飲めない日が続くなら、無理に続けようとせず、健診のときに「つわりで葉酸が飲めていない」と伝えて相談するのがいちばんです。食事もサプリも思うようにとれない時期は、それ自体を主治医に知っておいてもらったほうが安心です。
続かないのは、意志が弱いからではない
さて、実際にいちばん難しいのはここです。1日1回、決まった時間に、何か月も続ける。 朝は忙しく、夜は疲れていて、「あとで飲もう」と思った瞬間に忘れる。続かないのは、意志ではなく仕組みの問題です。
私がいちばん効くと思うのは、次の3つです。
1. 毎日必ずやることにくっつける。 歯磨きや朝のコーヒーなど、すでに習慣になっていることの直後に置きます。新しい習慣を単独で作ろうとすると、まず続きません。
2. 見える場所に置く。 引き出しにしまうと、存在ごと忘れます。食卓や洗面台など、毎日必ず通る場所に。
3. 「飲んだかどうか」を記録する。 これがいちばん効きます。思い出そうとするから迷うのであって、記録があれば迷いません。

「今日飲んだっけ?」をなくす
ママレコには、カスタムリマインダーという機能があります。初期設定は「葉酸摂取」です。
通知の時刻を1日に複数設定でき(朝8時と夜8時、など)、飲んだらワンタップでチェックすると「摂取済み」と表示されます。カレンダーでは日付の数字の横にチェックマークが付くので、何日続いているかが目で見えます。地味な機能ですが、「飲んだか思い出す」というストレスがなくなるのが、いちばんの効果だと思っています。
名前・アイコン・通知メッセージ・完了後の表示は変えられるので、葉酸以外の習慣にも使えます(無料プランでは1個、プレミアムでは無制限)。
1日抜けても、翌日また飲めばいい
最後に。1日飲み忘れたからといって、取り返しがつかないわけではありません。 大事なのは、妊活を始めた時期から妊娠3か月まで、だいたい毎日続けられていることです。1日抜けたことに落ち込んで全部やめてしまうのが、いちばんもったいない。
チェックが並んでいくのを見ていると、「まあ、ちゃんとやれているな」と思えます。その感覚が、続ける力になります。
参照
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