排卵日を調べようとして、こんな説明に行き当たったことはないでしょうか。
「排卵日は、生理開始日から数えて14日目ごろ」
覚えやすい数字です。でも、この一文には大きな前提が隠れています。「28日周期の人なら」という前提です。

前から数えるか、後ろから数えるか
生理周期は、大きく2つの期間に分かれます。
- 卵胞期(生理開始 → 排卵まで)
- 黄体期(排卵 → 次の生理まで)
このうち、長さの幅が大きいのは前半(卵胞期)です。周期の長さが人によって違うのは、主にこの卵胞期の差によります。いっぽう、後半(黄体期)は14日ほど続いて、次の生理の直前で終わるとされています(MSDマニュアル家庭版)。
つまり、排卵日は「生理の開始から数える」より、「次の生理から逆算する」ほうが実態に合っています。
排卵予定日 = 次回の生理予定日 − 14日
28日周期の人なら、たしかに「開始から14日目」と同じ答えになります。けれど、33日周期の人はどうでしょうか。
- 開始から14日目で計算 → 14日目が排卵日
- 次回予定日から逆算(33 − 14)→ 19日目が排卵日
5日のズレです。妊娠を意識してタイミングを取っている人にとって、5日は決して小さくありません。
周期別・排卵日の早見表
「生理が始まって何日目ごろが排卵か」を、周期の長さごとに計算するとこうなります(生理開始日を1日目として数えた目安)。
| 周期の長さ | 排卵日の目安 | 妊娠しやすい期間の目安 |
|---|---|---|
| 25日 | 11日目ごろ | 6〜12日目ごろ |
| 28日 | 14日目ごろ | 9〜15日目ごろ |
| 30日 | 16日目ごろ | 11〜17日目ごろ |
| 32日 | 18日目ごろ | 13〜19日目ごろ |
| 35日 | 21日目ごろ | 16〜22日目ごろ |
周期が長い人ほど、「14日目」からのずれが大きくなるのがわかります。ただし、これは周期が安定している場合の計算です。月によって周期がばらつく人は、この表どおりにはなりません。
「14日目」は排卵日の目安ではなく、「28日周期の人の排卵日」の目安でした。自分の周期が28日でないなら、この数え方は使えません。前提を確かめないまま数字だけを覚えると、毎月ずれ続けます。
だから、まず自分の周期を知る
排卵日の予測精度は、生理予定日の予測精度に直結します。そして生理予定日は、あなたの周期の平均からしか出せません。
ママレコが固定28日を採用していないのは、この理由からです。生理が始まった日を記録していくと、前回から今回までの日数(=あなたの周期)を自動で計算し、ここ数回の平均から次回を予測します。そこから14日を引いた日が、排卵予定日として表示されます。

周期がずれた月も、実際の開始日を記録すれば、翌月からの予測に反映されます。 ずれは失敗ではなく、精度を上げるためのデータです。
予測だけでは足りない。体からのサインを重ねる
とはいえ、カレンダーの予測だけで排卵日を確定することはできません。予測はあくまで統計的な目安です。実際の排卵は、その月の体調で前後します。
そこで重ねたいのが、体からのサインです。
基礎体温排卵を境に、体温は低温期から高温期へ移行します。その差はわずかなので、小数点以下2桁まで測れる婦人体温計で、毎朝、起き上がる前に測ります。測り方のコツは基礎体温の測り方にまとめました。
大事なのは、基礎体温は「排卵日を事前に知る」ためのものではないということです。体温が上がったとわかるのは、排卵が終わったあとです。基礎体温でわかるのは、「先月は、このあたりで排卵していた」という事実。それを何周期分か重ねることで、次の周期の見当がつくようになります。

おりものの変化排卵が近づくと、透明でよく伸びる状態になると言われます。日々の変化に気づけるのは、毎日見ている本人だけです。
排卵検査薬排卵の前には、LHというホルモンが急に増えます。LHが急上昇してから、およそ10〜12時間後に卵子が出るとされています(MSDマニュアル家庭版)。検査薬はこのLHの上昇をとらえるので、事前に知りたいならいちばん直接的な方法です。ただし毎日使うとコストがかさむので、予測で当たりをつけて、その前後だけ使うという組み合わせが現実的です。
病院で調べてもらう産婦人科では、基礎体温のグラフや超音波などを使って、排卵がいつごろかを見てもらえます(こども家庭庁)。周期が不規則で自分では見当がつかないときは、相談してみてください。
妊娠しやすい期間は「排卵日当日」ではない
もうひとつ、誤解されやすい点があります。排卵日当日だけを狙う必要はありません。
卵子が受精できるのは、排卵後長くても12時間ほど。いっぽう精子は、女性の体内で3〜5日ほど生きられます。そのため、妊娠が起こりうる期間は、排卵の5日前から排卵の1日後までの約6日間とされています(MSDマニュアル家庭版)。
こども家庭庁の解説でも、排卵日の1〜2日前の妊娠率が高いと紹介されています。ママレコでも、排卵予定日の5日前から1日後を目安として表示しています。
「排卵日をピンポイントで当てる」ことに神経を使いすぎると、疲れます。 幅で捉えたほうが、気持ちの上でもずっと楽です。
ここで紹介した予測や判定は、記録にもとづく目安であり、医療的な診断ではありません。周期がとても不規則なとき、基礎体温が二相に分かれないとき、しばらく妊娠しないときなどは、自分だけで判断せず産婦人科に相談してください。受診のときに記録を見せられると、話が早く進みます。
まずは3周期、記録してみる
いきなり完璧を目指さなくていいと思います。生理の開始日と、朝の基礎体温。この2つだけで、3周期ぶん記録してみてください。
自分の周期が見えてくると、「14日目」という他人の数字を追いかける必要がなくなります。あなたの体のリズムは、あなたの記録の中にしかありません。
ママレコでは、基礎体温のグラフを月ごとに表示し、低温期・高温期の判定と排卵日の推定を自動で行います。記録した月のグラフはPDFに書き出せるので、受診時にそのまま持っていけます。基礎体温の記録は無料でお使いいただけます。
参照
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