「排卵日 カレンダー」と検索して、最終月経日と周期を入力し、出てきた日付をカレンダーに書き込む。私も同じことをすると思います。ひとまず、この日か。
けれど翌月、生理が3日遅れて来る。書き込んだ日付は、もう意味を持たなくなっている。もう一度ツールを開いて、また1日だけ印をつける。これを毎月くり返していると、だんだん面倒になって、そのうち開かなくなります。
この記事で書きたいのは、計算のしかたそのものよりも、そのあとです。出てきた日付をカレンダーにどう書くか。ずれた月にどう直すか。そこが決まると、排卵日カレンダーは毎月使えるものになります。

まず、排卵日はこう計算する
先に計算のしかたを書いておきます。
排卵日の目安は、次の生理予定日の14日前です。生理開始日から数えるなら「周期の長さ − 14日」。たとえば30日周期の人なら、生理が始まった日を1日目として16日目ごろが目安になります。
排卵から次の生理までの期間(黄体期)は個人差が小さく、おおむね14日前後で安定しています。いっぽう生理から排卵までは人によって長さが違うので、後ろから数えるほうが実態に近いわけです。
なぜ「生理から14日目」ではずれるのか、周期ごとの早見表は「排卵日はいつ?計算方法と周期別の早見表」にまとめました。ここでは計算そのものより、カレンダーの書き方の話を進めます。
「1日だけ印をつける」と、外れたときに全部外れる
計算で出るのは1日です。けれど、その1日だけをカレンダーに書くのは、あまりおすすめしません。理由は二つあります。
ひとつは、妊娠しやすい期間が1日ではないこと。卵子が受精できるのは排卵後12時間ほどですが、精子は女性の体内で3〜5日ほど生きられます。そのため妊娠が起こりうるのは、排卵の5日前から排卵の1日後までの約6日間とされています(MSDマニュアル家庭版)。
こども家庭庁の解説でも、排卵日の1〜2日前の妊娠率が高いと紹介されています。1回の周期でどれくらいの確率なのか、何周期続けるかの目安は「タイミング法で男性ができること」にまとめました。
もうひとつは、予測がずれることです。周期は毎月まったく同じにはなりません。予測が2日ずれれば、1日だけの印はまるごと外れます。けれど6日間の帯で書いてあれば、2日のずれは帯の中に収まります。
だからカレンダーには、点ではなく帯で書く。これが、続けられる排卵日カレンダーの最初のコツだと思います。
| カレンダーに書くもの | 書き方 |
|---|---|
| 生理の開始日 | いちばん大事。これだけは必ず記録する |
| 生理の終了日 | 余裕があれば。期間の目安がわかる |
| 次の生理予定日 | 最新の開始日 + 自分の平均周期 |
| 排卵の目安 | 次の生理予定日の14日前 |
| 妊娠しやすい期間 | 排卵の目安を中心に、5日前から1日後まで帯で |
「生理が終わって何日で排卵?」に、一律の答えはない
よく検索されている質問に、「生理が終わって何日目が妊娠しやすいのか」があります。ここに「◯日後」と一律で答えている記事もありますが、周期の長さによって変わるので、そのままは使えません。
正常な生理周期は25〜38日とされています(厚生労働省)。25日周期の人と35日周期の人では、生理が終わってから排卵までの日数が10日近く違うことになります。同じ「生理が終わった3日後」でも、意味はまったく別です。
だからこそ、他人の日数ではなく自分の周期から逆算します。そして自分の周期は、記録がないと出てきません。次の見出しが、その話です。
ここで書いている計算は、記録にもとづく目安であり、医療的な診断ではありません。避妊の判断には使えません。排卵の有無やタイミングを正確に知りたいときは、婦人科で超音波検査などを受ける方法があります。周期が毎回大きくずれる、3か月以上生理が来ないといったときは、自己判断せず婦人科に相談してください。
3周期ぶん書けば、カレンダーは自分のものになる
自分の平均周期は、生理の開始日を3回ぶん記録すれば見えてきます。
- 1回目の開始日から2回目の開始日まで → 1つ目の周期
- 2回目の開始日から3回目の開始日まで → 2つ目の周期
この2つを平均すれば、あなたのだいたいの周期です。あとは「最新の開始日 + 平均周期」で次の生理予定日、その14日前が排卵の目安になります。
ここで大事なのは、最初の月から完璧な予測を出そうとしないことです。1周期目はまだ何も出せません。2周期目でようやく1つ目の数字が出て、3周期目で平均らしくなってきます。生理周期のばらつきについては「生理周期がずれるのはなぜ?」にまとめました。
ずれた月は「上書き」する。消すのではなく直す
ここが、ツールで1回計算して終わりにしない、いちばんの違いだと思います。
予測より生理が遅れて来たら、その実際の開始日をカレンダーに書き足します。すると平均周期が少し伸びて、翌月の予測も後ろへずれます。早く来たときも同じです。ずれは失敗ではなく、あなたの周期についての新しい情報で、それを足すほど予測は自分に近づきます。
書き方としては、こんな流れになります。
| 月 | やること |
|---|---|
| 今月 | 生理が始まった日を記録する。予測の帯を引いておく |
| 来月 | 実際の開始日を記録する。予測とのずれを見る |
| 再来月 | 平均周期を更新し、帯を引き直す |
予測の帯は、鉛筆で書いておくくらいがちょうどいいと思います。確定した予定ではなく、毎月引き直すものだからです。
基礎体温と検査薬は、カレンダーの上で役割が違う
排卵日カレンダーには、体からのサインも重ねられます。ただ、それぞれ役割が違います。
基礎体温は、排卵が終わったあとに体温が上がるので、「排卵はもう済んだらしい」を後から確かめる道具です。当日の朝に「今日だ」とはわかりません。かわりに、何周期か続けると自分の低温期・高温期の形が見えてきます。測り方は「基礎体温の測り方と、グラフがガタガタでも大丈夫な理由」に書きました。
排卵検査薬は、排卵の前に増えるLHというホルモンをとらえます。LHが急に上がってから、およそ10〜12時間後に排卵するとされています(MSDマニュアル家庭版)。つまり直前を知る道具です。毎日使うとコストがかさむので、カレンダーの帯に入った数日だけ使う、という組み合わせが現実的です。
カレンダーで予測して、検査薬で直前を詰めて、基礎体温で後から答え合わせをする。三つを同じカレンダーの上に並べると、それぞれの弱点を補い合えます。
紙のカレンダーでもできる。ただ、続くかどうか
ここまでの内容は、紙のカレンダーと鉛筆があればできます。実際、それでうまく回っている人もいると思います。
面倒になりやすいのは、平均周期の計算と、ずれたときの引き直しです。毎月、前回の開始日を探して、日数を数えて、帯を引き直す。この手間で止まってしまうことが多い気がします。
ママレコは、その部分を引き受けるように作りました。生理の開始日を記録していくと、直近の記録から平均の周期をもとめて、次の生理の予定日と、排卵のおおよその日を出します。固定の28日ではないので、周期が長い人・短い人でも自分に近い目安になります。

カレンダーでは、生理の期間を薄いピンクの帯で、排卵の予定日をアイコンで表示します。妊娠しやすい期間も、1日ではなく幅で見られる形です。予測がずれて実際の開始日を記録すれば、平均が更新されて翌月の予測に反映されます。「上書きする」作業が、記録するだけで済みます。
生理・基礎体温・妊娠の記録は、ママレコでは本人だけが見られる設計です。パートナーと共有されるのは、赤ちゃんが生まれてからの育児記録と成長記録で、妊活中のデータは共有対象に入っていません。見せたいときに自分から見せる、という使い方になります。
排卵日や生理予定日が近づいたときの通知も設定できます。カレンダーを開かなくても、帯に入ったことがわかる状態にしておくと、「気づいたら過ぎていた」が減ると思います。
1日を当てにいかない
排卵日カレンダーというと、「その1日を正確に当てる」ものだと思いがちです。でも実際にやることは、幅を持って構えて、毎月少しずつ精度を上げていくことに近いと思います。
まずは今月の生理開始日を、カレンダーに書くところから。3周期たまれば、あなたの周期にもとづいた帯が引けるようになります。当たらなかった月も、そのぶん来月の予測が良くなる。そう思えると、記録を続けるのが少し楽になります。
参照
← コラム一覧へ戻る