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ソファに座り、おなかに手を添えて少し不安そうにしている妊娠後期の女性(顔は写っていない) 妊娠

妊娠糖尿病の食事と数値、赤ちゃんへの影響|診断されたらまず知ること

2026.10.12 ・ ママレコ編集部

妊婦健診で「血糖の数値が高めなので、もう一度詳しい検査をしましょう」と言われた。あるいは、検査のあとに「妊娠糖尿病です」と告げられた。その帰り道やその夜に、スマホで「妊娠糖尿病 食事」「妊娠糖尿病 数値」「赤ちゃん 影響」と打ち込んで、この記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。

頭の中は、きっと質問でいっぱいだと思います。何を食べればいいのか。数値はどれくらい危ないのか。おなかの赤ちゃんは大丈夫なのか。そして、ふと「私が食べ過ぎたせい?」という気持ちがよぎる。

この記事では、妊娠糖尿病の診断の数値と食事で気をつけること、赤ちゃん・自分の体への影響、産後までの流れを、公的機関や学会の情報をもとに整理します。まず最初に、いちばん気になっているであろう「自分のせいなのか」から書きます。

台所で簡単な和食の食事を用意する妊婦の手元とおなか(顔は写っていない)

「妊娠糖尿病」と言われても、食べ過ぎのせいとは限りません

結論から書きます。妊娠糖尿病は、甘いものを食べ過ぎた人がなる病気、と決まっているわけではありません。

妊娠すると、胎盤からいくつものホルモンが出ます。その中には、インスリン(血糖を下げるホルモン)の効きを弱くする働きのものがあります。だから妊娠の後半は、同じ量を食べても血糖が上がりやすくなる。これは一部の人だけでなく、妊婦さんの体に共通して起きる変化です。

妊娠糖尿病は、この「上がりやすさ」が目安の範囲を超えて強めに出た状態を指します。体質や家族歴、年齢など、本人の努力では変えられない要因が重なって起きることが多いものです。肥満や糖尿病の家族歴、35歳以上の妊娠、大きな赤ちゃんを産んだことがある。こうしたことがなりやすさに関わるとされています。ただ、どれにも当てはまらない人が診断されることもあります。

もう一つ知っておきたいのは、これが「病気の宣告」ではなく、ふるい分けの検査だということです。妊婦健診で血糖を調べるのは、見つけて早めに手を打てば、お母さんと赤ちゃんのリスクを減らせるからです。見つかったこと自体は、むしろ守るための一歩だと受け取ってほしいと思います。

どれくらいの人が診断される?

現在の診断基準では、妊婦さんの約12%が妊娠糖尿病に当てはまるという報告があります(施設や地域で差があります)。10人に1人以上という割合で、めずらしいことではありません。数字はあくまで目安です。

診断基準の数値(75gOGTT)と、健診での検査の流れ

「数値がいくつから妊娠糖尿病なのか」を知りたい方は多いと思います。診断は、ブドウ糖の入った甘い飲み物を飲んで、前後の血糖を測る検査(75gOGTT=経口ブドウ糖負荷試験)で行います。

次の3つの時点のうち、1つでも基準以上だと妊娠糖尿病と判断されます。

測るタイミング 基準値(この値以上)
飲む前(空腹時) 92 mg/dL
飲んで1時間後 180 mg/dL
飲んで2時間後 153 mg/dL

いきなりこの検査をするわけではありません。多くは、妊娠初期と中期(24〜28週ごろ)の健診で血糖をざっと調べ、高めだった人がこの75gOGTTに進みます。中期の検査では、甘い飲み物を飲む50gのスクリーニング検査(50gGCT)を使う施設もあります。

もう一つ、言葉の整理を。血糖がかなり高い場合は、妊娠糖尿病とは別の「妊娠中の明らかな糖尿病」として扱われます。目安は、空腹時126 mg/dL以上、またはHbA1c(過去1〜2か月の血糖の平均を映す値)6.5%以上です。管理の仕方も変わるため、どちらなのかは主治医に確認しておくと安心です。

食事で気をつけること(分割食・体重・間食)

妊娠糖尿病とわかると、多くはまず食事の工夫から始めます。それで血糖が落ち着く人も少なくありません。ポイントは「減らす」より「上げ方をゆるやかにする」ことです。

よく出てくるのが分割食(分食)です。1日3食をふつうに食べても食後の血糖が高くなってしまうとき、1回の量を少し減らして、その分を間の時間に回し、1日の食事を数回に分ける方法です。回数は資料によって幅がありますが、食後の血糖の上がりをおさえる目的は共通しています。いつ・何回に分けるかは、自分の血糖の出方を見ながら主治医や管理栄養士と決めるのが確実です。

極端に減らすのは逆効果になりえます。エネルギーが足りないと、お母さんの体にケトン体が増えたり、赤ちゃんの発育に必要な栄養が不足したりすることがあるためです。妊娠の時期に応じて、必要なエネルギーの目安があります(下はあくまで一例で、適正量は人によって違います)。

時期 非妊時の目安に加える量(付加量・目安)
妊娠初期 +50 kcal
妊娠中期 +250 kcal
妊娠後期 +450 kcal
授乳期 +350 kcal

間食をゼロにする必要もありません。おなかがすいたときは、血糖を急に上げにくい、たんぱく質を含むものが向くとされています。たとえばチーズ、素焼きのナッツ、ゆで卵、無糖のヨーグルトなどです。体重の増え方の目安は妊娠前の体型によって違うので、妊娠中の体重増加の目安も参考にしてみてください。

赤ちゃんへの影響と、母体への影響

ここがいちばん不安なところだと思います。先に言うと、影響は「必ず起こるもの」ではなく、血糖の管理で起こりにくくできるものです。だからこそ、早く見つけて整えることに意味があるのです。

お母さんの血糖が高いと、赤ちゃんの血糖も上がります。それを下げようと、赤ちゃんはインスリンをたくさん出す。その結果、体が大きく育ちやすくなります(巨大児)。大きく育つと、お産のときに肩がひっかかりやすくなるなど、分娩時の負担につながることがあります。

生まれたあとは、お母さんからのブドウ糖の供給が急に止まります。そのため赤ちゃんが一時的に低血糖になりやすく、しばらく様子を見ることもあるのです。

お母さん側では、妊娠高血圧症候群や、羊水が多くなること(羊水過多)が起こりやすくなるとされています。これらも、血糖を整え、健診でこまめに見ていくことで備えられるものです。

こんなときは早めに相談を

強いのどの渇き・尿の量が急に増える・はっきりした理由のない体重減少。こうした症状があるときや、数値や食事の工夫に迷うときは、自己判断せず主治医・助産師・管理栄養士に相談してください。ここに書いた基準や目安は、あなたの状態を診断するものではありません。

産後に多くは戻る。でも「終わり」ではない

「産後は治るの?」という問いには、「多くの方は出産後に血糖が戻ります」とお答えできます。ただ、「治る」と言い切れるものではなく、産後も確かめる検査が必要です。

学会は、産後6〜12週ごろにもう一度75gOGTTを受けることをすすめています。妊娠中に正常に戻ったように見えても、ここで改めて評価します。産後の判定の基準は妊娠中の基準とは別のものなので、数値だけを自己判断しないことが大切です。

そしてもう一つ。妊娠糖尿病を経験した人は、将来2型糖尿病になりやすいと知られています(経験しなかった人の数倍という報告があります)。だから産後も、定期的な健診と、無理のない食事・運動を続けることがすすめられます。

母乳育児が、お母さんと赤ちゃんの将来の糖尿病の頻度を下げるという報告もあり、知っておくと心強いのではないでしょうか。妊婦健診そのものの流れは妊婦健診の回数と費用にまとめています。

ママレコでできること

妊娠糖尿病の管理は、数字と予定が一気に増えます。栄養指導の日、血糖を測る時間、次の健診。食べたものや、聞きたいことも、その場で控えておかないと忘れてしまう。この「増えた段取り」を、妊娠記録アプリのママレコでまとめておけます。

体重は、妊娠週数を横軸にしたグラフで見られます。妊娠前のBMIから計算した適正な増え方の範囲が黄色い帯で出るので、自分の体重が目安の中にいるかを一目で確認できます。栄養指導で数字を控えるときにも、役立つのではないでしょうか。

ママレコの妊娠体重グラフ。横軸が妊娠週で、妊娠前BMIから計算した適正増加範囲が黄色い帯で示されている

食べたものや気づいたこと、栄養指導で聞きたいことは、メモに書きためておけます。チェックリストにできるので、診察のときに上から確認して伝えられます。健診・栄養指導・血糖を測る時間は、カレンダーの予定とリマインダーで管理できます。メモとプライベート予定は本人だけのもので、パートナーには共有されません(共有できるのは、出産後の育児・成長の記録です)。

予測・判定は目安です

ママレコが表示する予測・判定は、記録にもとづく目安であり、医療的な診断ではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関にご相談ください。

まとめ

妊娠糖尿病と言われた今日は、きっと不安でいっぱいだと思います。でも、これはあなたを責めるための結果ではありません。妊娠中の体に起きる変化が少し強めに出ただけで、見つかったのは、お母さんと赤ちゃんを守る手を早く打てるということです。

数値と食事は、主治医と一緒に整えていけば、できることがたくさんあります。まずは次の健診と栄養指導の日を、カレンダーに書き込むところから始めてみませんか。

参照

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妊活から育児まで、ふたりで使える記録アプリです。

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